ヘタレ攻略日記その28

父さん、キラーマシーンと500匹近くデートしました。まだまだ反応はありません。はぐりんも然り。はぐりんとはようやく150回のデートを終えました。
僕、レベルがとうとう80を超えてしまいました。なんていうか、その、ここまでレベルを上げたのは初めてです。そして、こんな廃人っぷりを世間に知らしめたのも初めてです。
僕はもうこのデートを惰性でやっているせいか、やっとはぐりんと遭遇してもうっかり手が動いて自ら逃げてしまうことがあるんだ。あの悔しさといったらないよ。たぶんあのはぐりんが僕の口説きに落ちるはずだったんだと思うんだ。それに、あまりにも退屈でね、ミニデーモンを見ると奴らに向かってあっかんべーをしてみたり、キラーマシーンにはなかなか落ちてくれない腹立たしさから「なんなのよそのマッチ棒みたいな足は!」とか、「ロボットのくせに肩で息してんじゃないわよっ!」とかさ、つい毒づいちゃう。しかもなぜか女口調。また僕はアナザーワールドへ一歩足を踏み入れてしまったようだ。


もうグチグチ言うのも飽きてきたからさ、今夜また頑張って口説けなかったら、僕、約束通り明日はエビルマウンテンへ行くよ。カボチの人とも和解できたし思い残すことはないもの。気を引き締めていかないとね。頑張るぞ!僕!

ヘタレ攻略日記その27

父さん、あーもうっ!今日は思いっきり愚痴らせてくれ!
はぐりん全然ダメだよ。まだ133回しかデートしてないけど、僕、もう気がおかしくなりそう。帰られてばっかりだし、昨日「チップが欲しいなんて言ってない」なんて書いたせいかメダルもくれなくなっちゃったし、ついてくる気配もない。
メガザルロックのように500回近くデートしなければ口説けないなら、僕、さすがに考えちゃうよ。
でもここまで頑張って諦めるのは本当に悔しいからやっぱり追いかけちゃうけど、僕ね、決めたんだ!
日曜日まで頑張って口説けなかったら、僕、宿命の敵と対決しに行こうと思う。はぐりんはその後。キラーマシーンもそうだけど。
僕としては不本意な事なんだけどもう耐えられないよ。でも、なんとか日曜日までにはぐりんをどうにかしたいな。父さんに早く吉報を届けたいよ。

ヘタレ攻略日記その26

父さん、ここしばらく色々と忙しくて、僕はろくに冒険ができなかったんだ。昨夜ようやく少しだけ自分の居場所に戻ることができたので早速僕ははぐりんに会いに行ったよ。
やはり彼女はとても手強い。今のところ110回のデートを済ませたんだけど、まだまだ良い返事は貰えそうにないよ。小さなメダルばっかりだよ。チップが欲しいなんて、僕、一言も言ってないんだけどな。
キラーマシーンもまったく反応がなくて、ちょっと途方に暮れかけている。たまにはカジノで憂さを晴らそうかとも思うけど、そんな時間すら勿体無くてただただサンチョに口笛を吹いてもらってるんだ。サンチョの唇、もう目も当てられないほど酷いことになってるよ。最近はもう僕と口さえ利いてくれないんだ。怒ってるみたい。
僕以外にもはぐりんちゃんやキラーマシーンを追いかけている人々がいるようなんだけど、周りの人は一体どのくらい頑張って口説き落としたんだろう。僕のデートなんてまだまだ甘いのかな。モノにするまであと一歩のところまで来ていればいいんだけど。

ヘタレ攻略日記その25

父さん、他力本願な僕は自分で情報収集せずにぼーっとしてしまったんだけど、町の人々の協力により、どうやらライオネックちゃんはエビルマウンテンより遥か先に進んだ時、そのどこかで口説けることがわかったんだ。ヘルバトラーちゃんもね。ちょっぴり無駄な時間を費やしてしまったけど、これがなければ町の人々との交流ができなかったんだからこれはこれで良かったと思うんだ。


ならばと僕はちょっと方向転換してはぐりんちゃんを追いかけ出した。この子とデートするとさ、すぐ帰っちゃうしなかなか倒せないしで気分がかなりダークになるからあまり関わらずにいたんだけど、ずっと放置するわけにもいかないしね。
これも町の人々が色々とアドバイスをくれたのだけど、キラーピアスとかまじんのかなづちとかね、そういうのを装備させてガッツリデートを堪能しているよ。僕、この旅が始まって初めて馬車の中でのんびりしているよ。イルミよ、ヒソカよ、仲間達よ、もっと働け。
しかし町の人々には驚きだよ。僕なんかよりずっとずっと頭が良くて効率の良い方法をたくさん知ってるんだ。僕、下手っぴすぎ。もう少し工夫しろよって声が、どこかから聞こえてきそうだよ。


でね、そのはぐりんちゃんなんだけど、55匹とデートしたんだ。トータル85匹。で、昨夜ついにあの幻の▼印が出たんだよ!
僕それまでゴロンゴロンしながらデートをしてたんだけど、「うあぁっ!」とか言いながらむっくり起き上がっちゃった。それで、ワクワクしながら、心臓ドキドキさせながらボタン押したらさ、うん、キメラの翼。一緒にデートについて来たメイジキメラのお土産だった。
いらねーって、お前に用はないと、冷たく言い放ちたかったよ。


でも僕もこういう事にはだいぶ慣れっこだからさ、気を取り直してまたはぐりんちゃんとのデートを続けたんだけど、どうしてもはぐりんちゃんが1匹でなかなか出てきてくれない。必ず僕のデートを邪魔しようとミニデーモンとかメッサーラが付いてくるんだ。
やっとはぐりんちゃんを倒したりしても、仲間が勢い余ってそいつらを倒しちゃったりする。するとさ、メッサーラとかミニデーモンがむっくり起き上がって僕らについて来ようとするんだよね。
だーかーらー!君達じゃないの!僕ははぐりんちゃんに用があーるーのーっ!
いくら叫んでも相手はモンスターだからさ、全然僕の言葉わかってないみたいで瞳キラキラさせてるんだよ。だから仕方なく僕もモンスターじいさんの所に送り出してやるんだけど、ほんと勘弁してほしい。


でもね、僕、ちょっと場所移動してはぐりんちゃんが1匹でやってくる所へ行ったんだ。なかなか出てこないけど、出てくれば邪魔者はいない。これだ!と思って頑張ったよ。
そして、ついについに、あの▼印が登場したんだ!!!!
「ひぁーーーーーー!」
叫びながら、勿体つけながら僕はボタンをゆっくり押した。この時の心臓の鼓動は凄まじかったよ。


小さなメダルでした。


この瞬間、複雑な顔で微妙に喜んでいる僕がいたよ。
父さん、はぐりんちゃんは、本当にどこまでも憎い子です。ますます好きになっちゃいそうだなあぁぁぁぁぁぁ!!!

ヘタレ攻略日記その24

父さん…。
ビルマウンテンでは、ライオネックちゃんをいくら口説いても無駄だって…、本当なのかい…?


あぁ、僕のこの数日間の努力は一体…。
僕の時間、返して!

ヘタレ攻略日記その23

父さん、この日の僕にはちょっとした良いことが起こったんだ。
用あって町で買い物をしていたらね、町の人が寄って来て「無理することなく頑張ってください」と、僕がナイショでいつも買い込んでいたおやつ、じゃがりこをそっとくれたんだ。しかも僕が一番好きなジャーマンポテト味だったんだよ。僕はね、どうして僕の好きな味まで知ってるのかと驚いたんだけど、そんな野暮な事を考えたって仕方ない。町の人の気持ちが嬉しくてありがたく思ったよ。昨日はちょっぴり弱音を吐いてしまったけど、僕なりのペースでまだまだ頑張ろうと思うよ。


旅はというと、相変わらずターゲットのお尻ばかり追いかけてる状態から一歩も進んでないよ。今日もグレイトドラゴンにはシッポでびたんびたん引っ叩かれ、ギガンテスには思いっきり踏み潰され、ホークブリザードには何度も生死を彷徨わされ、ライオネックには呪われ、キラーマシーンには振り回した剣で切り刻まれたり、ボウガンでがしがし射抜かれた。
こんな痛い思いばかりしてるのにがむしゃらになって追いかける僕は、もしかるすとちょっとアレなのかな。アレな人なのかな。今度、旅が終わったらビアンカに…。コホン。
でもめげずに口説いたお陰で少し落ちた子がいるんだ。少し気持ちも楽になったよ。明日もまた頑張るんだ!


そういえば噂によると、ヘルバトラーちゃんという絶世の美女がどこかにいるらしいんだけど、僕、まだ一度もお目にかかってないんだよ。僕的にその事実はちょっと焦るんだよね。一体どこにいるんだろう…。

ヘタレ攻略日記その22

父さん。最近の僕は死んでばかりいます。仲間たちもガツガツ死んでいます。
死→ザオリクで復活→また死
こればかりを毎回毎回繰り返しています。次第に感覚が麻痺してきそうです。


というのも、ちょっと僕が目をつけたターゲット、ホークブリザードがデートの度にザラキを唱えて、僕らを好きなだけ死に誘うのです。こんなに苦いデートは初めてです。早く口説き落としてコイツのことは無視の方向で進みたいです。
が、この子もなかなか手強い。あとどのくらい頑張れば口説き落とすことができるのか、まったく予想がつきません。
しかも今の僕はこの子の他にもキラーマシーングレイトドラゴンといったターゲットも存在しており、この子達がいっぺんに現れるとどの子を最後まで残すかとても悩みます。どの子も手強いので、数百回のデートをしないと落ちないと思われるだけに非常に悩むのです。
はっきり言ってツライです。僕の宿命の敵はすぐそこにいるのに、こんな子達に手間取っている自分が嫌になります。どうしてこんなことを初めてしまったのか本当に悔やみきれないくらいなんですが、やり始めたからには最後まで…頑張るよ、父さん。


今はね、グランバニアに戻ったりすると町の人々がこの僕のウワサのノートを見たいと集まってくるんだけど、だんだんそれもなくなってくると思うんだ。「まだやってるの?」とか言いたげな、町の人たちの冷たい視線を感じそうな気がするんだ。僕だってさっさと進めていきたいけど、そう僕も暇じゃないんだ。王様としての事務的な仕事もあるからね。それと並行してやってるとどうしても時間がかかってしまうんだ。でも、そんなの他の人には関係ないからね、そういう意味でも僕、ツライ。
早く、早くこんな旅、終わらせたい。終わらせたいよ、父さん…。