ヘタレ攻略日記その25

父さん、他力本願な僕は自分で情報収集せずにぼーっとしてしまったんだけど、町の人々の協力により、どうやらライオネックちゃんはエビルマウンテンより遥か先に進んだ時、そのどこかで口説けることがわかったんだ。ヘルバトラーちゃんもね。ちょっぴり無駄な時間を費やしてしまったけど、これがなければ町の人々との交流ができなかったんだからこれはこれで良かったと思うんだ。


ならばと僕はちょっと方向転換してはぐりんちゃんを追いかけ出した。この子とデートするとさ、すぐ帰っちゃうしなかなか倒せないしで気分がかなりダークになるからあまり関わらずにいたんだけど、ずっと放置するわけにもいかないしね。
これも町の人々が色々とアドバイスをくれたのだけど、キラーピアスとかまじんのかなづちとかね、そういうのを装備させてガッツリデートを堪能しているよ。僕、この旅が始まって初めて馬車の中でのんびりしているよ。イルミよ、ヒソカよ、仲間達よ、もっと働け。
しかし町の人々には驚きだよ。僕なんかよりずっとずっと頭が良くて効率の良い方法をたくさん知ってるんだ。僕、下手っぴすぎ。もう少し工夫しろよって声が、どこかから聞こえてきそうだよ。


でね、そのはぐりんちゃんなんだけど、55匹とデートしたんだ。トータル85匹。で、昨夜ついにあの幻の▼印が出たんだよ!
僕それまでゴロンゴロンしながらデートをしてたんだけど、「うあぁっ!」とか言いながらむっくり起き上がっちゃった。それで、ワクワクしながら、心臓ドキドキさせながらボタン押したらさ、うん、キメラの翼。一緒にデートについて来たメイジキメラのお土産だった。
いらねーって、お前に用はないと、冷たく言い放ちたかったよ。


でも僕もこういう事にはだいぶ慣れっこだからさ、気を取り直してまたはぐりんちゃんとのデートを続けたんだけど、どうしてもはぐりんちゃんが1匹でなかなか出てきてくれない。必ず僕のデートを邪魔しようとミニデーモンとかメッサーラが付いてくるんだ。
やっとはぐりんちゃんを倒したりしても、仲間が勢い余ってそいつらを倒しちゃったりする。するとさ、メッサーラとかミニデーモンがむっくり起き上がって僕らについて来ようとするんだよね。
だーかーらー!君達じゃないの!僕ははぐりんちゃんに用があーるーのーっ!
いくら叫んでも相手はモンスターだからさ、全然僕の言葉わかってないみたいで瞳キラキラさせてるんだよ。だから仕方なく僕もモンスターじいさんの所に送り出してやるんだけど、ほんと勘弁してほしい。


でもね、僕、ちょっと場所移動してはぐりんちゃんが1匹でやってくる所へ行ったんだ。なかなか出てこないけど、出てくれば邪魔者はいない。これだ!と思って頑張ったよ。
そして、ついについに、あの▼印が登場したんだ!!!!
「ひぁーーーーーー!」
叫びながら、勿体つけながら僕はボタンをゆっくり押した。この時の心臓の鼓動は凄まじかったよ。


小さなメダルでした。


この瞬間、複雑な顔で微妙に喜んでいる僕がいたよ。
父さん、はぐりんちゃんは、本当にどこまでも憎い子です。ますます好きになっちゃいそうだなあぁぁぁぁぁぁ!!!